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PoCの進め方、目的、メリットの明確化が重要!!SmartMatCloud (スマートマットクラウド)

PoCの進め方、目的、メリットの明確化が重要!!SmartMatCloud (スマートマットクラウド)

PoCってなんだろう?

PoCとは(=「Proof of Concept」)の略で、直訳すると「概念実証」の事です。最近では「実証実験」という言葉の方がよく聞かれているのではないでしょうか。

PoCなくしては、IoTやAIなどITシステムの導入を成功させるのは難しいと言っても過言ではありません。事実、当社のスマートマットクラウドをトライアルされている企業様は多数いらっしゃいます。今回は、スマートマットクラウドを使用してPoCの目的や進め方、プロジェクトの中でのPoCの役割、さらにPoCを成功させるポイントについてもお伝えします。

 目次
  1.  トライアルの目的と概要
  2.   STEP1:効率化したい「対象業務」を考える
  3.   STEP2:「スマートマットクラウドができること」を理解する
  4.   STEP3:検証対象とする場所・モノを明確にする
  5.   STEP4:実行可能性を検証する
  6.   STEP5:投資対効果を検証する
  7.   トライアルの必要性
  8.   まとめ

Ⅰ.トライアルの目的と概要

トライアルで何を試したら良いのでしょうか?
その答えを探るには、まず最初に『トライアルの目的』を考える必要があります。トライアルでは、システムを実際に自社で使うことができるのかという『実行可能性』と、効果がでるのかという『投資対効果』を検証するために行ないます。

【トライアルの目的】
 ・ 実行可能性の検証・・効率化したい業務にスマートマットクラウドを適用することができるのかを検証する
 ・ 投資対効果の検証・・スマートマットクラウドの費用に見合った効果が得られるのかを検証する

次に、この2つをどのようにして検証するかを考えてみます。

【トライアルの実施手順】
 STEP1: 効率化したい対象業務を絞り込む
 STEP2: スマートマットクラウドで何ができるのか理解する※トライアル検証
 STEP3: 検証対象とする場所・モノを明確にする
 STEP4: 実行可能性を検証する ※トライアル検証
 STEP5: 投資対効果を検証する

全ての業務を試す訳にはいきませんので、①から③で「何に対してトライアルを行なうのか(トライアルの対象)」を絞り込みます。そして、トライアル対象に対して、実行可能性と投資対効果を検証する流れとなります。

ここで気をつけなければならないのが、①から⑤までの手順全てをトライアルする訳ではないという点です。①から⑤までを検証しようとすると、膨大な時間がかかってしまいます。とても試用期間の1~2ヶ月で終わらせることはできません。実証するのは、②と④だけで十分です。

「トライアル」と聞くと実機を触って確かめるイメージを持つ担当者が多いですが、実機操作は必要最低限に留めて実行可能性と投資対効果の検証を行なうことが、スムーズに終わらせるポイントとなります。

Ⅱ.STEP1:効率化したい「対象業務」を考える

スマートマットクラウドに向いていない業務に対してトライアルを実施してもあまり意味がありませんので、向いている業務に絞り込む必要があります。
スマートマットクラウドに向いている業務は、「管理業務」です。マンパワーで行っている管理業務の中で、課題や改善点を明確化させる事が重要です。

親和性のある業務を効率的に見つけるには、スマートマットクラウドを既に導入している企業の事例などを確認すると手っ取り早いと思います。
スマートマットクラウドを導入している企業に対して行なった事後調査では、95%以上の企業が適用した業務の作業時間を50%以上削減したという結果が出ています。
したがって、同業種でスマートマットクラウドを導入している企業がどのような業務に適用しているのかという事が分かれば、必然的に業務は絞り込めます。

スマートマットクラウドは、在庫管理分野のシステムになりますから、管理部署関連に多く利用されています。また、バックオフィスだけではなく、多くの業種に親和性があるソリューションであることから、事前の情報収集はしっかり行っていくことが重要です。

Ⅲ.STEP2:スマートマットクラウドができることを理解する

スマートマットクラウドは、在庫管理業務の自動化を目的とした1つのツールですが、何から何まで自動化することはできません。
主に『在庫の可視化』を人間に代わって処理するだけで、そこに付随する作業工程を効率化させるという事になります。

人が行っている在庫管理業務に対して、どこか改善したい点があるからAIやIoTで何とかできないかと考えられています。

【人が行う在庫管理業務例】
・ 定期在庫確認
・ 情報入力
・ データ情報取得
・ 棚卸し
・ 発注
・ 情報共有

上記のような業務は、基本的にスマートマットクラウドで対応することが可能です。このような処理を含む業務をSTEP1で選んだ部署に確認することで、トライアルの対象業務を洗い出します。
ここで洗い出した業務は、後で「投資対効果」の計算にも使いますので、どの部分の在庫管理業務に対して課題を持っているかの正確な洗い出しが重要です。

このように、「スマートマットクラウドができること」を理解したうえで対象業務を確認すると、スムーズに業務効率化へ繋げるためのPoCを実施する事ができるようになります。

Ⅳ.STEP3:検証対象とする場所・モノを明確にする

スマートマットクラウドは様々な在庫品・環境で使用されているシステムになりますが、計測データをクラウドで管理されています。スマートマットからデータをクラウドへ送るには、スマートマットの設置場所周辺にWi-Fi環境を作る事が必須項目になります。
トライアルでは「対象となる在庫品が問題なく計測できるのか?」といった事を検証しなければなりません。

STEP1,2では対象とする部署や業務の絞り込み、洗い出しを行ないましたので、このSTEP3では実際に検証を行う場所や在庫品を明確にしていきます。

スマートマットクラウドを利用している企業の課題例としては、
 ・ 離れた場所にある在庫の見える化
 ・ 自動発注を機能を利用した効率化
 ・ 定期的に在庫変動を確認しデータ管理化
 ・ 棚卸しの効率化
 ・ 在庫の適正化
といったものが挙げられます。

上記の課題例がスマートマットクラウドユーザー様のほとんどを占めています。トライアルを実施するにあたり、同業他社ではどのような形で管理状況を作っているか事前確認を行った方がより効率的です。
例えば、製造業では棚卸しの効率化(時間削減・省人化)への使用目的が多数です。医療では自動発注機能を利用した医療消耗品の供給体制構築、宿泊業では、在庫量の把握から適正化へと使用されています。

自社でトライアルを行う際には、管理場所の一部でスマートマットクラウドで適切に動作しないというリスクがありますので、いくつかのトライアル場所候補を考えておく必要があります。事前協議でSTEP1~3をしっかり詰めておく事で、精度の高いPoCが行えることになります、逆に何となくPoCを行ってしまうと、無駄に時間と労力を消費するだけの結果となりますので、情報収集や協議を重ねてしっかり検証できる機会を作りましょう。

Ⅴ.STEP4: 実行可能性を検証する

STEP4では、スマートマットクラウドの「実行可能性(自動化したい業務に適用することができるのか)」を検証します。
STEP3までで対象とする業務と環境は絞り込まれましたので、その業務に対して実機検証を行ないます。

ここで注意して欲しいことが1点あります。
実機で検証するのは「実行可能性」だけであって、「投資対効果」の検証は切り分けて考えることです。投資対効果をトライアルで実証しようとすると、非常に時間がかかってしまいます。

実行可能性は、「それぞれの在庫品にスマートマットクラウドが適応しているか」という点を明確にしていけばシンプルに分かり易いです。

1つの在庫品で確認するのが、           
 ① 計測している在庫の数量(または%)が正確に表示されているか
 ② 在庫の増減がしっかり測れているか
 ③ 在庫が無くなった時、適切にアラートが飛んでくるか
 

①~③の動作が業務の流れ(プロセス)で現場に行かなくても画面越しでしっかり確認できれいれば大丈夫です。またそこから、在庫管理場所の効率化、社内の在庫管理ルールなど、他部署との円滑化など業務に関わる効果などの検証を行っていく形になります。
例えば、管理部署と発注部署が異なる場合、③番については各々の部署が把握しておく必要があります。今までの部署間での業務連絡が無くなり効率化されますが、同時にチェック体制は整えなければならないので、そういう意味でルールの徹底は必要となるでしょう。

Ⅵ.STEP5:投資対効果を検証する

STEP5では,スマートマットクラウドの投資対効果を検証します。投資対効果の検証を行なうのに、トライアル機の使用は必要ありません。
STEP4までの情報を基に判断することができるからです。

  上記の表などを使用して、1つずつ確認していきます。

【定性的な評価項目】
 小分類:部門ごとに発生する作業を細分化
 補足 :小分類項目をさらに分かり易く説明
 想定される削減時間:各項目のスマートマットクラウドを使用する事で削減できるであろう予測時間を合算で入力                                         

【想定される導入効果】
表の一番右側にある「導入効果」は、従業員コスト×想定削減時間で表しています。

このような表を作成すれば、スマートマットクラウドの投資対効果は、実機操作を行なわなくても見積もることができます。STEP1から4までの情報を基に効果を見積もることで、容易に算出することが可能となります。

Ⅶ.トライアルの必要性

当社の「スマートマットクラウド」はトライアル可能店舗となっていますので、「申し込んで使ってみよう」と応募をいただくこともありますが、トライアルの目的を理解しないと結果的に前に進みません。

トライアルは、「何となく使ってみる」のではなく、「実行可能性」と「投資対効果」を検証するために行ないます。STEP①~⑤で述べてきたような内容を事前打ち合わせで確認、共有しPoCをしっかり行っていただけるようにしていきます。

トライアルは、「スマートマットクラウドを導入することによる効果はあるのか?」という不安を解消するために行う機会ですが、GOALはトライアルではなく、業務効率化のための大切な1ステップだという事です。

Ⅷ.まとめ

・トライアルの目的と概要
トライアルでは、スマートマットクラウドの『実行可能性』と『投資対効果』を検証する。

・STEP1:効率化したい「対象業務」を考える
既に効果が実証されている部署(総務経理部門、経営企画部門、システム部門、人事部門)の業務に絞り込む。

・STEP2:スマートマットクラウドができるきことを理解する
どの部署のどの業務が課題となっているか、スマートマットクラウドの基本機能から考える

・STEP3:検証対象とする場所・モノを明確にする
STEP1,2からどの場所の在庫品をトライアルするか考える。他の事例を基に管理の仕方など見直しも同時に検討していく。

・STEP4:実行可能性を検証する
「投資対効果」までを検証せずに、「動作」確認から作業までを見直し検証。

・STEP5:投資対効果を検証する
『削減時間』と『従業員コスト』から、導入効果を導く